ACFアートサロン「光州アジア文化中心都市の過去・現在・未来」

韓国・光州と言えば、1980年民主化を要求する激烈な「光州事件」が起きた地域として有名ですが、今は国家プロジェクト・アジア文化中心都市造成事業に挑戦しています。

そのビジョンは 「“世界に向けたアジア文化の窓”-文化でアジアと共に世界へ- 」

2002年に大統領選挙に立候補した盧武鉉(ノ・ムヒョン)が選挙公約で「光州を文化首都として育成」すると発表したのがきっかけでした。大統領に就任してから、「アジア文化中心都市造成に関する特別法」(2006年9月)も制定。その後も20年間(2004年~2023年)の計画で推進しています。
2015年11月には国立アジア文化殿堂が開館し、それを起点にして光州広域市を5つの文化圏に分けた構想を打ち出すなど、まさに「文化を中心とした都市づくり」の真っ最中です。

本シンポジウムでは、光州からパネリスト2名をお迎えし、前半は光州のアジア文化中心都市事業やアジア文化殿堂の現状について紹介。後半は、公益文化財団 北海道文化財団の磯田憲一理事長が加わり、国立文化施設としてのアジア文化殿堂であり、光州の文化施設でもあるアジア文化殿堂の意義・役割、国立文化施設と地域との関係性や、地域再生と市民文化育成の観点から見る文化圏構想等について議論し、文化都市の未来像について語ります。

*光州事件:1980年5月18日~27日、全斗煥軍政下で民衆・学生らが激しく民主化を求め、軍事的な弾圧を受けた。
*5つの文化圏:文化殿堂・交流圏、融合文化科学圏、アジア共同体文化圏、未来教育文化圏、視覚メディア文化圏


札幌みらい塾2018 ACFアートサロン in わくわくホリデーホール
シンポジウム「光州アジア文化中心都市の過去・現在・未来」

日時:2018年10月9日(火)18時30分~20時30分
会場:わくわくホリデーホール [札幌市民ホール] 2F第1会議室(札幌市中央区北1条西1丁目)
料金:一般 1,000円、学生・ACF会員・V-net会員 500円
メール予約:sapporoacf@gmail.com

主催:ACF札幌芸術・文化フォーラム / 大和リース(株)
共催:北海道教育大学岩見沢校
後援:公益財団法人北海道文化財団 / さっぽろアートボランティア・ネットワーク(V-net)

本シンポジウムは、JSPS科研費JP16K02296の助成を受けた研究成果です。

タイムスケジュール

◆18時30分~18時40分 光州市アジア文化中心都市事業とは
発表:閔 鎭京 北海道教育大学 准教授
◆18時40分~19時10分 国立アジア文化殿堂の事業紹介
発表:イ・ソンジェ アジア文化院経営革新本部長
◆19時10分~19時40分 アジア文化中心都市事業の現状について
発表:チョン・ソング アジア文化中心都市フォーラム都市環境分科委員長
◆19時50分~20時30分 シンポジウム
パネリスト: イ・ソンジェ、チョン・ソング、磯田憲一
モデレーター:閔 鎭京

出演者プロフィール

李聖宰(イ・ソンジェ)アジア文化院経営革新本部長
1967年生まれ、全羅南道木浦市出身。2014年嘉泉(カチョン)大学大学院行政学科修了。行政学博士。城南産業振興財団ゲーム産業団長、城南産業政策研究センター長として勤務。現在はアジア文化院(文化体育観光部傘下の準政府機関, Asia Culture Institute)経営革新本部長。国の文化体育観光部、未来創造科学部、中小ベンチャー企業部、ソウル特別市等の自治体の産業関連政策・事業の諮問委員。

鄭盛求(チョン・ソング)アジア文化中心都市フォーラム都市環境分科委員長
1967年生まれ、光州市出身。2001年全羅南道大学院建築学科修了。工学博士。主に、光州広域市から文化政策関連の受託事業(コンサルディング、政策提言等)を行っている。これまでに「東アジア文化都市光州2014計画」「文化殿堂周辺の都市再生活性化計画(2014~2016)」「ユネスコメディアアート創造都市マスタープラン2016-2017」を作成し、現在「アジア文化中心都市造成のための年次別実行計画」(2009年~現在)に取り組んでいる。光州発展研究院社会文化研究室長を歴任し、現在はアジア文化中心都市フォーラム都市環境分科委員長、都市設計グループ「都市文化集団CS」代表。

コメンテーター 磯田憲一(公益財団法人 北海道文化財団理事長)
モデレーター  閔 鎭京(北海道教育大学岩見沢校芸術文化政策研究室 准教授)

アジア文化中心都市造成事業

アジア文化中心都市造成事業は光州地域にアジアの多様な文化が自由に交流し、疎通する文化都市を創る国家の文化プロジェクトである。「アジア文化の交流と振興」の場をつくるとともに、平和と人権を象徴する歴史的な都市・光州の豊かな文化資源と自然環境を土台に、新しい概念の文化都市を造ることによって、国家の均衡発展と国民生活の質の向上を目標としている。計画期間は2004年から2023年までの20年間という長期間のプロジェクトである。主な事業内容は「国立アジア文化殿堂」建設・運営、文化的都市環境の造成、芸術振興と文化・観光産業の育成、文化交流都市の力量の強化等となっている。総事業費は5兆2,912億ウォン(約5,264億円)で予算出所の内訳は国庫が27,679億ウォン(52.3%)、市7,896億ウォン(14.9%)、民間17,337億ウォン(32.8%)である。2016年までの執行額は1兆2,604億ウォン(国庫11,199、市781、民間500/計画対比23.6%)で、日本円に換算すると1,254億円に当たる。

韓国国立アジア文化殿堂(Asia Cultural Center)

~世界に向けたアジアの文化の窓(Window of Asian Culture towards the World)~
国立アジア文化殿堂は、アジアの過去 – 現在の文化芸術と革新的なアイデアや信念が出会い、未来志向的な新しい成果を生み出す国際的な芸術機関であり、文化交流の場である。光州の 5・18民主化運動(May 18 Democratic Movement)の人権と平和の意味を芸術的に昇華するという背景から出発し、2015年11月にオープンした。アジアの文化交流・教育・研究などを通じ、相互理解を促進し、アジア各国と一緒に成長するために設立された韓国文化体育観光部の所属機関である。現在は、アジア文化院が運営を担っている。
開館以降2年間(2016年~17年)において公演(130件)、展示(59件)、教育(40件)、レジデンス(61名)、イベント(74件)等、394のコンテンツを企画・運営した。昨年まで本施設を訪れたのは522万人(2016年208万人、2017年314年)である。(資料提供:イ・ソンジェ アジア文化院経営革新本部長)

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